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り、また、マラヤ文官職への昇進は認められなかった。しかし、1921年より制度的に昇進の可能性が開かれ、1941年までに31人が、マレー行政職からマラヤ文官職へと昇進した。

 

(3)マラヤ非連合州における行政官僚
マラヤ非連合州各州においては、イギリスの保護国となる以前に、イギリスの制度を模倣した、マレー人による官僚制がある程度確立していた。具体的には、前述の2種類の公務員に加え、マレー人による州文官職(State Civil Service)がつくられ、各州の中央行政及び、群長(District Officer)の職務を行っていた。
なお、前述のように、現在、旧マラヤ連合州において、国家公務員による州政府の要職ポストの独占が行われているのは、これらの州ではその歴史において、旧マラヤ非連合州のような州公務員の確立が行われなかったからに他ならない。

 

(4)植民地官僚のマラヤ化
第二次大戦後イギリスがマラヤに復帰し、マラヤ連邦が1948年に成立すると、マラヤ文官職のマラヤ化が漸次進行する。1952年には割当制度が導入され、マラヤ文官職の補充は、マレー人4に対し非マレー人1の比率で行うものとされ、1953年から同制度による補充が開始された。1955年には57年の独立に向けてのマラヤ化の計画について決定し、マラヤ化を完了すべき目標年次(1960年、62年、65年まで及びそれ以降の4段階)を職種ごとに定めた。この計画に基づき、65年までにほぼ全ての公務員がマレーシア人で占められることとなった。

 

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